住宅設計は家づくり計画の基礎部分ですから、満足できるか否かは、この作業次第で大きく左右されます。間取りや動線など考えるべき要素は多数ありますが、駐車場も上手に設置したいもの。
失敗すると車が使いにくいだけでなく、住まい内部にも影響しかねません。
この記事では、住宅設計において上手に駐車場を設置するためのポイントを見ていきましょう。
1.まずは駐車場の広さを決めよう
住宅設計において駐車場を考えるポイントは、まず、広さをどうするかです。
具体的な駐車場の広さは、使いたい車のサイズに応じて選ぶのが基本。
色々な考え方がありますが、車の全長+100cm、全幅+130cm位で計算するのが目安です。
コンパクトカーなら全長は380cm、横幅は190cmくらいですから、駐車場は縦480cm、横320cmほどの広さを検討してみましょう。
なお、壁や建物に車の側面をギリギリに寄せて駐車し、片側のドアだけで乗り降りするようにすれば、+65cmで計算し、横幅255㎝程度で間に合います。
なお、将来的には自転車やバイクなどを置く可能性もあると思いますので、敷地に余裕があれば、もう少し広めにスペースを確保するのもおすすめです。
駐車場は広げ過ぎると建物に影響しますが、狭すぎると不便なので、ちょうど良いバランスを見つけましょう。
2.道路へのアプローチを考えよう
住宅設計では、駐車場のレイアウトによって、使い勝手が変わります。
レイアウト次第で駐車場から道路へ出る時や、帰宅時の駐車しやすさにも影響するのです。
駐車場のレイアウトタイプとしては、直角駐車、並列駐車、縦列駐車があり、それぞれに使い勝手が異なっています。
まず、直角駐車は道路に対して、駐車場が直角になるように設置するのが特徴です。
良く使われているレイアウトで、駐車場が道路とは90度で交わります。
次に並列駐車は、道路に対して、車を並行させて駐車するタイプです。
少ないハンドル操作で駐車場に出入りできます。
最後に直列駐車ですが、これは複数台分の縦長の駐車場を用意するタイプです。
道路に対して直角に交わる、縦長の駐車場を設置するのが特徴。
建物用のスペースを確保しやすい反面、奥に駐車する車は出入りしにくい難点があります。
いずれのレイアウトにも一長一短があるため、敷地や交通量、自動車を使う頻度などから最適なものを選びましょう。
設計が得意な事務所に相談すると、注意点やおすすめの解決策などを教えてもらえるはずです。
3.駐車場を作る時に気を付けるポイント
住宅設計において駐車場のレイアウトを決める時には、広さと車の配置以外にも、気を付けたいポイントがあります。
まずは、直射日光です。
強い太陽光に長時間さらされると、車には様々な悪影響があります。
ボディの塗装にも良くないですし、内装や車載機器の日焼けも懸念材料です。
しかも、夏場に直射日光に晒されると、車内が高温になるのも注意点。
これを防ぐには建物の影を上手に利用するか、カーポートなどを設置するのが一手です。
特に、カーポートは風雨や黄砂などにも効果があるので、一度は検討してみたい設備と言えます。
ただ、場合によっては固定資産税がかかるため、気を付けて下さい。
新築の場合、充分な駐車場スペースが確保できない時は、ビルトインガレージを設ける方法があります。
ビルトインガレージは住宅の1階部分を駐車場にするのが特徴です。
家の中に駐車場を設けるため、敷地が狭くても問題ありません。
地価が高く、広い敷地を用意できない場合に役立つタイプです。
駐車場が天候の影響を受けにくく、車を利用しやすいのがメリットですが、耐震性や1階の居住部の間取りに難が生じます。住宅設計の際には、やや高度な配慮が必要と言えるでしょう。
まとめ
住宅設計における、駐車場の考え方をまとめてきました。
記事中で書ききれなかった勾配や、地面をどうするかなど、他にもチェックしたいポイントは幾つかあります。
意外と住まいの快適性に影響する部分なので、駐車場も得意な住宅設計のプロに相談していきましょう。